フォーラム事務局

香川大学瀬戸内圏研究センター

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お知らせ&イベント

「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム」
第11回事例研究部会議事要旨
日時
平成23年11月25日(金)13:00〜15:10
場所
高松サンポート合同庁舎 アイホール
開会
原座長より開会の挨拶があった
議事概要

(1)新規参加団体等の紹介
本会新規参加団体として、キナシ大林病院から石田糖尿病センター長から挨拶を頂いた。

(2)事例研究
1.「生活習慣病の診断用マイクロチップ」
独立行政法人産業総合研究所 健康工学研究部門 バイオマーカー解析研究グループ 研究員の山村昌平氏より、生活習慣病の早期診断用マイクロチップの研究開発の現状ついて発表があった。
【質疑応答】
Q.このチップは、同時に最大で何種類の検体の解析が可能なのか。(石田氏)
A.研究レベルではあるが、現時点で4〜5種類の測定は成功している。
Q.数年前に数千万円というお金をかけたにもかかわらず、イギリスメーカーのチップでは、我々が臨床で必要とする例えばサイトカイン、IL−6等の解析データが役に立たなかった。この研究がそのような臨床にも活用されれば、採算ベースにも乗るであろう。ただホルモンの分析は、サイトカインなどと比べてまだ難しいと思うが。今後に期待したい。(石田氏)
A.ホルモン解析は行っていないが、今後どのようなものが解析できれば、よりインパクトのあるものになるか、是非ご助言を頂きたい。(山村氏)
A.ホルモン類の解析はまだ行っていないが、「一つの流路でどれくらいのスポットを使って解析できるか」という質問に対しては、実際には3〜4点ではあるが、理論的には、スポットの間隔をいかに空けるかということで30〜40が可能ではある。しかし一方で、その流路で用量−反応曲線に入るような、同じような検出限界の濃度のもので計る必要があり、お互い違う濃度のものを用いるのであれば、いずれかを希釈などしなければならないため条件検討が難しいということである。今後ともご助言をお願いしたい。(国分氏)

2.「美術館北通り診療所の取組状況のご紹介〜商店街のかかりつけ医を目指して〜」【PDF形式:5.03MB
美術館北通り診療所 院長 瀬尾憲正氏より「街のかかりつけ医を目指して」と題して、患者を 主体とした診療所の取り組みについて、また、株式会社コナミスポーツ&ライフ 商品開発部 プロデューサーの森谷路子氏より「美術館北通り診療所でのトライアル実施内容について」と題 して、生活習慣病管理料を活用した美術館北通り診療所との取り組みについて、それぞれ発表 があった。
【質疑応答】
Q.2年ほど前の経済産業省のプロジェクトで「チーム香川」が取り組んだ糖尿病対策事業と の関連というか、その事業と連携を取ればさらに広がっていくのではないのかと考えるが。(原座長)
A.まさに今回もそれを目標にしており、2009年の事業では約5千人の方に歩数計を持っていただいたり、チーム香川と一緒に、食事介入・運動介入指導などの取り組みを行ったが、それきりになってしまった。これではいけないということで、今回は、先の事業で整備した設備やコンテンツをそのまま使うことにより、高松市内の色々なところで拡大していければいいと考えている。(森谷氏)
Q.医療の情報化であるとか指導管理料の取り扱い等のいわゆる「医療システムの変革期」においては、封建的になりがちな医師会との軋轢も生まれ得る。そこを上手くやっていかないと、結局、患者さんが右往左往することになる。そのためにも、マスコミをうまく使って香川の取り組みを発信していく必要があると考える。(石田氏)
A.地域で求められているものをボトムアップという形で汲み上げて制度の変革を求めていく、あるいは運動を起こしていくという方法が、私どもが目指す方向と考えている。地道ではあるが、地域の診療所でもそれは可能であると考えているので、引き続き皆さまのご支援ご協力をお願いしたい。(瀬尾氏)
Q.このトライアルで一つお伺いしたいのが、診療所で診断を受けて病名を付けるというプロセスがないと指導管理料は加算できないのでは。(国分氏)
A.健康診断で「糖尿病予備軍」と判定された時点で、「このままでは必ず糖尿病になりますよ」ということを認識(意識改革)してもらった上で、診療所にお越し頂き、指導することになります。その際には、糖尿病の診断(病名付与)を行います。

3.「地域医療連携におけるネットワークのあり方」
ネットワンシステムズ株式会社 エリア・パブリック事業グループ 担当部長 戸倉一氏より、地域医療連携におけるネットワークのあり方について、K−MIX等の香川の取り組みを参考に発表があった。
【質疑応答】
Q.K−MIXで一番苦労したところは、情報を外部のデータセンターに置いたところである。将来的に全国各地域にデータセンターが整備されれば、そこを核にして相互接続していくことにより、日本中の医療機関が安全に接続できるようになると考えているが、そのモデル事業として、JGNを使って岩手と香川を接続する。また、岩手県では地域医療再生基金事業により、今年度から2年をかけて、岩手県立病院を中心とした県内12〜3の医療機関において、周産期の電子カルテネットワークを接続する予定である。さらに、香川でも同様に地域医療再生基金を使って、K−MIXを中心とした県内の20の医療機関同士の電子カルテを相互に接続するプロジェクトを推進する予定であるので、今後、これらの地域の接続を進めたい。宮城県や福島県でも、こうしたプロジェクトに関心を持たれているようですので、同様なモデルとして進めていきたいと考えている。(原氏)

4.「死後画像検査(AI)−香川大学での現状と課題−」(木下博之、田中直子、ジャマール モストファ、組橋 充、飴野 清)
香川大学医学部 人間社会環境医学講座 法医学 教授 木下博之氏より、平成22年度に香川 大学に整備されたCT装置及びAI−PACSを使って行われている死後画像検査(AI) の現状と課題について発表があった。
【質疑応答】
Q.今回木下先生に説明いただいたのは、これまではK−MIXが「生まれる前から死ぬまで」と言われていたものが、このように「死後」までも活用できるような普遍的なシステムであるということをご理解いただきたかったのと、今回、木下先生に全国の大学の法医学教室に声をかけていただいて、法医学では一番歴史のある千葉大学との連携から始めることになり、AIの分野でもK−MIXの機能拡大が図れるものと期待しているからである。 ご発表の中で「AIのみで死因を判明できるのが20〜30%以下」とあったが、AI分野の研究が進むとか、MRI等を活用するとか、あるいは世界中の研究者の関心が集まれば、もっと数値は上がりますよね。(原座長)
A.はい、おっしゃるとおりです。(木下氏)

5.「香川大学で開催された遠隔医療に関する国際ワークショップの報告」
原座長より、平成23年11月18日に香川大学において開催された遠隔医療に関する国際ワークショップの内容について発表があった。
【質疑応答】
質疑なし。
(3)その他
国分副座長より次回総会及び部会の開催日時について、総会は平成24年11月頃、部会は平成24年2月20日(会場未定)を予定しているとの説明があった。

閉会

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