お知らせ&イベント
「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム」
第28回事例研究部会議事要旨
1.開催日時・場所
【日時】平成29年7月13日(木)13:00〜17:00
【場所】産業技術総合研究所 臨海副都心センター 別館11F 第1会議室
【出席】40名
2.開会
3.議事概要
(1)事例研究
- 1.「JICA新プロジェクト:妊産婦・新生児死亡の予防を目的とした救急時の移動式
胎児心拍計導入と産科一次スクリーニング診断導入と一次医療人材育成による
周産期死亡改善事業とプチCTG開発に関して」メロディ・インターナショナル株式会社 CEO尾形 優子氏より「JICA新プロジェクト:妊産 婦・新生児死亡の予防を目的とした救急時の移動式胎児心拍計導入と産科一次スクリーニング 診断導入と一次医療人材育成による周産期死亡改善事業とプチCTG開発に関して」の発表があった。
【質疑応答】
Q.タイで出生数を増やしていこうということだが、現状はどうなっているのか。(大家副座長)
A.今のところ出生数は減っている。その理由を皆さんにお聞きしながら、出生数を上げていくにはどうすればよいのか、あるいは日本も少ない出生数の中で赤ちゃんを大事に育てており、タイもアジアの中では日本に次ぐ高度医療国になって日本に近づいていると思うので、相手国がどういった事情で、どうしていきたいのかということも含めて導入していきたい。(尾形氏)
- 2.「Durantaで得られた心電図波形をMFERで送信、他の心拍数情報と比較できる基本的なネッ
トワークシステム構築へ向けて」
株式会社 イメージ ワン 営業企画グループ 統括マネージャー 岡庭 貴志氏より 「Durantaで得られた心電図波形をMFERで送信、他の心拍数情報と比較できる基本的なネットワークシステム構築へ向けて」について発表があった。
【質疑応答】
Q.Durantaをつけるにあたっての改善点はあるだろうか。(大家副座長)
A.一過性の心房細動を見つけるということになると、デンマークの先生の発表によると、だいたい2〜3日データをとった時と1週間では、優に3倍ほど検出率が違ってくる。目的によってつける長さは変わってくる。また、つける側としてはやはり痒くなるということがある。そのあたり、痒くならないような絆創膏のようなものがいいかなという依頼は出ている。(岡庭氏)
Q.産総研四国センターでも研究されている四国八十八か所を巡ることで健康になりストレスが減るという報告だが、実際お遍路に出られる方で健康に心配があったり、不整脈があったりという患者さんがいたりした場合、durantaをつけてもらうと非常にありがたいと思うのだが、そのような試みはあるのだろうか。(原座長)
A.大変面白いと思う。ぜひできれば。(岡庭氏)
Q.もしされる場合はご協力いただけるだろうか。(大家副座長)
A.もちろん協力させていただきたい。(岡庭氏)
- 3.「仮想化技術を利用した心臓シュミレータと地域における診療情報の登録と活用(Share
Plate)のご紹介」
富士通株式会社 ヘルスケアシステム事業本部 渡邉 正宏氏、富士通株式会社 ヘルスケアシステム事業本部 齋藤 幸夫氏より、「仮想化技術を利用した心臓シュミレータと地域における診療情報の登録と活用(SharePlate)のご紹介」についての発表があった。
【質疑応答】
Q.本来、心臓シュミレータのお話しをしたいとのことだったのだが、本日はロンドン医療センターの伊原院長がお越しになっており、この後、治験のテーマもあり、斎藤部長にそちらのお話しもしてほしいとお願いした。治験や海外との連携に使えるのではないかと思う(原座長)
A.Share Plateというのは非常に良い取り組みだと思う。今、我々がグローバル展開で取り組まなければならないのがアジア地域での商業化ということを早めに進めていきたいと考えている。アジアにAsia Information Netという組織があり、そちらでも似たような 取り組みをしようとしている。そのような組織とうまく連携して、標準のパターンやテンプレートがここで出来ると、おそらくこれが世界に広まっていく可能性が高いのではないだろうか。全てをグローバル化しようとすると反対勢力も出てくるが、このようなテンプレートで標準化を作ってしまうというのは非常に良い取り組みだと考えている。(榑松氏)
Q.おっしゃる通り、標準化ということで色々なフォーマットを、テンプレートを含めて、あ まり自由な記述等できないようにして逆に後利用していこうということで、今考えてこのような製品をご用意させていただいている状況。カルテの情報と比較するとまだまだ精度を上げていかなければならないが、まずはこれくらいから始めていければと思っているのでぜひよろしくお願いしたい。(渡邉氏)
- 4.「総合医療介護システム「CoEsse」と多目的サーバの
相互接続・連携方式の研究」株式会社ヘルスケアリレイションズ 商品企画チーム チームマネージャ 北村 有岐氏より、 「総合医療介護システム「CoEsse」と多目的サーバの相互接続・連携方式の研究」についての 発表があった。
【質疑応答】
Q.患者さんから情報を得る時には「このように使いますよ」と最初から了承を得ているのだろうか。(大家副座長)
A.今、情報は全部使うという前提で同意を取っている。最初からかなり広めに了承を取って おかないといけないというのは確か。病院、介護、健診等の情報入れていくのだが、全て 記述する形で行っている。(北村氏)
Q.富士通の齋藤部長にお願いなのだが、先ほどのテンプレート機能をK-MIX+に載せていただ いたくとすると、テンプレートはいくつか種類が作れるのでこういった介護系と多目的サ ーバを介してうまくやっていくという良い方向に行くのではないだろうか。この後、MeWCA からも発表があるが、全国からの色々なシステムがK-MIX+だけではなく、各地の地域医療 連携システムとの連携が広がるので、ぜひまずは香川でお願いしたい。(原座長)
A.ぜひとも医療、介護を含めて連携させていただきたい。(渡邉氏)
- 5.「地域包括ケアにおけるV-CUBEミーティングの活用」
株式会社ブイキューブ 遠隔医療推進担当 大穂 照久氏より、「地域包括ケアにおけるV-CUBEミーティングの活用」についての発表があった。
【質疑応答】
Q.V-CUBEミーティング5というのは、K-MIX経由でつないでいるのか、あるいはV-CUBEのネットワークでつないでいるのか教えていただきたい。(榑松氏)
A.今のデモンストレーションに関しては、通常のインターネット回線で接続しているので、K-MIX経由ということではない。(大穂氏)
Q.それでは、インターネット回線でこれだけのスムーズな会話ができたということだろうか。(榑松氏)
A.ありがとうございます。携帯のテザリングで今接続していたので、環境としては有線に比べると安定性はあまりないのだが、それでもご覧いただいたような画質は出せるので、そういったところを見ていただけば。(大穂氏)
Q.以前だと、結構ぶつぶつと切れたりしていたが、ここまでスムーズになったのには何か仕掛けがあるのだろうか。(榑松氏)
A.アップデートはしている。大きな違いとしては、今までのV-CUBEミーティング4はブラウザ上で動かすようなシステムであったのに対し、V-CUBEミーティング5はアプリケーションをインストールしていただき、そのアプリケーションを使って、映像・音声の双方向通信を行っている。そちらの方がやはりシステムとしてブラウザを動かしてその上で映像・音声のやり取りというよりは、一段構えでアプリケーションで処理できるので、映像・音声に関しては高精細で非常に安定して双方向でやり取りができる形になっている。(大穂氏)
Q.たしか、海外向けには通常のインターネット回線以外に専用回線を用いるということもあろうかと思うのだが、そのあたりはいかがだろうか。(原座長)
A.海外との接続に関しては、我々は日本だけではなく海外にもサーバを持っている。サーバ間の通信を行うことによって通常のインターネット回線経由で海外のサーバから日本のサーバに接続しにくるよりも、例えば、サーバの通信というのは非常に高速にできるので、中国だったら中国のサーバに接続するなど、そういったオプションもある。サーバ間通信を行うことによって強固に接続することも可能。(大穂氏)
Q.我々ではチェンマイでも取り組みがあるので、これからASEANまたは南アフリカなど、ぜひご協力ご支援いただければ。(原座長)
- 6.「MeWCAプラットフォームでつながるデータの利活用」
NPO法人 医療福祉クラウド協会 事務局 佐藤 美恵氏より、「MeWCAプラットフォームでつながるデータの利活用」についての発表があった。
【質疑応答】
Q.データレイクという話があったが、その中の一つのプレイヤーとしてMeWCAがあると。同じような動きというものは国内にどういったものが代表であるのだろうか。(大家副座長)
A.データレイクではなく、情報銀行のプレイヤーの一つであるパーソナルデータストアとしての役割ということになる。(佐藤氏)
Q.自社の集めてきた情報に境界が出来てしまっているというのが問題、そういったものを何とか繋いでいく方法はあるのだろうか。(大家副座長)
A.繋いでいきたいというのと、繋いでいく時に繋いでいく先の望むデータの形で出せるというメリットを生かしていきたい。(佐藤氏)
Q.大変興味深いお話しをありがとうございました。こういった情報というのは個人とは切り離されたデータという解釈でよろしいのだろうか。(日本CRO協会 渡辺氏)
A.個人が自分であげていくデータになる。(佐藤氏)
Q.そういった場合でも、データがどういったことに使われるかということについて、きちんと説明をするという必要はどうだろうか。(日本CRO協会 渡辺氏)
A.第三者への提供や二次利用に関しては、同意が必要だと考えている。(佐藤氏)
Q.今後、色々な方のデータを将来的に例えば臨床試験や臨床研究のデータと連携して使いたい、リンクして使いたいといった時には個人情報を特定してリンクすることになるが、今、そういったことができる枠組みが色々と研究されている。もしそういったことを補う時にMeWCAのデータは使えるのかお聞かせいただきたい。(日本CRO協会 渡辺氏)
A.まだそこまで考えていないのだが、リクエストベースに応じてということになるかと思う。 (佐藤氏)
- 7.「静電容量型フレキシブル近接センサによる離床/呼吸計測システム
〜モノの蔭から人知れず見守る人感センサ〜」国立研究開発法人 産業技術総合研究所 フレキシブルエレクトロニクス研究センター 主任研究員 野村 健一氏より、「静電容量型フレキシブル近接センサによる離床/呼吸計測システム〜モノの蔭から人知れず見守る人感センサ〜」についての発表があった。
【質疑応答】
Q.弊社では離床センサーを扱っているのだが、場合によってはベッドの脇に座ったということを検知して反応してしまうこともある。(ヘルスケアリレイションズ 北村氏)
A.そういった課題は現場でも頻発していると聞いている。誤動作が起きてしまいほとんど使われないとのこと。よくあるのがベッドの下に圧力センサのマットを敷いて、鳴るか鳴らないかで離床を判断しようとしていると聞く。理由は多々あると思うが、一つは接触式のセンサということも大きいのでは。摩耗による劣化、あるいは誤動作が多いことも一因かもしれない。自身のセンサだと非接触のセンサは非接触式でベッドの裏に張り付けているのでデバイスに負荷が全くかからない。さらに言えば、2次元アレイにするなどにより、座っているのか、横になっているのか程度はおそらく判別できる。ただ、気をつけなければならないのは、自身のセンサを含め、静電容量式センサは全般的にノイズに弱い。例えばベッドが何らかの衝撃で動いてしまったりすると、それだけでノイズとなってしまう。ノイズキャンセリングや、そもそもベッド等をずらさないようにするなどの工夫が必要になってくる。(野村氏)
Q.2次元アレイの展開の話で、タイリングで大きくするのではなく、そもそも初めから大面積で作ることも可能なのだろうか。(コニカミノルタ 板屋氏)
A.両方アプローチはあり、できないわけではない。印刷機は大きいものだと数mといった ものがあり、そういったものを使えばもちろん最初から大きくできる。ただし、サイズが 大きくなると装置の値段が上がってくる。印刷技術のよいところは装置や部材の価格が安 く中小企業も参入しやすいところ。エンドユーザーも中小企業が多いので、小さく作って おいてから大きく作るという方向が合理的ではないかと考える。
4.閉会
Copyright © 2009 Healthcare Innovation Forum All Rights Reserved.