フォーラム事務局

香川大学瀬戸内圏研究センター

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お知らせ&イベント

「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム」
第27回事例研究部会議事要旨

1.開催日時・場所

【日時】平成29年2月10日(金)13:00〜16:45
【場所】高松サンポート合同庁舎 アイホール
【出席】45名

2.開会
3.議事概要
(1)事例研究

 

  • 1.「香川県で開発された周産期管理システム、モバイルCTGのグローバル展開への道

    香川大学瀬戸内圏研究センター 特任教授 原 量宏氏より「香川県で開発された周産期管理システム、モバイルCTGのグローバル展開への道」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    東南アジアの病院で超音波を使った胎児の診断に関して、かなりの人数のお医者さんが対応できているのだろうか。つまり、どの程度のお医者さんがこういった信号を判読できる体制にあるのかお聞かせいただきたい。(大家副座長)

    A.

    タイの北部では大学病院にしか産婦人科医がいないため、地域の病院においても看護師、助産師が明確に分かれていないのだが、胎児の心拍の見方が分からない。そのため、勉強会が非常に重要で、チェンマイ大学の産婦人科医は1000回以上、大変熱心に波形データを見てくれている。今後はサーバー上でのAIを使った自動診断、そちらに重きをおきたいと思っているのと、教育が大切だと考えている(原座長)

    Q.

    心電図だと、異常が出た場合、チェックが出たりするが、少し拝見すると超音波の波形が複雑な形をしていて、なかなかAIにとっても手ごわいのではないかと思うのだが、そのあたりはいかがだろうか。(大家副座長)

    A.

    超音波の波形は非常に複雑であり、そこから心拍数を取り出すのは自己相関等、出来上 がった技術だが、その後の変動、ここはAIや自動診断のノウハウがかなり蓄積されつつある ので、サーバー上で一気に診断していくというのが良いのではないかと考えている。(原座長)


  • 2.「IoMT 心電送信機durantaの可能性」

    株式会社 イメージ ワン 統括マネージャー 岡庭 貴志氏より「IoMT 心電送信機duranta の可能性」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    一週間に制限されている理由というのはどこにあるのか。例えば、本体の構成の中で一番電気を使用している悪者というのがパーツの中であるのだろうか。(大家副座長)

    A.

    元々durantaの重さが35gであり、そのうち電池が約20数gということで、ほとんど電池の重さとなっている。一番はBluetoothの電池が電位も高く、比重を占めている。(岡庭氏)

    Q.

    その場合、ひとつはBluetooth自体がローパワー化しているという部分と、Bluetooth自 身の用途によってはデータの入っていないプロトコルという部分を簡略化しているという動きもあると思うが、そのあたりで期待できるものなのだろうか。(大家副座長)

    A.

    弊社でもBluetooth4.0のLow Energyを使っているのだが、更に規格が進んでいて、Body Area Network (BAN) の世界では、もう少し省電力で、短距離でというのが検討されていると 聞いている。そちらが進むと少し持ちが長くなると考えている。(岡庭氏)

    Q.

    次に発表される日本光電の方からは心電図のMFERという標準形式で送信するというお話しになるが、様々な企業が心電図を独自の規格で送ると医療機関側にとってはなかなか扱いにくい。MFERで送る取り組みについては今後どうお考えだろうか。(原座長)

    A.

    この前ご指導いただいて、すでに出来ており、MFERで出力ができるようになっている。悩ましいのは、一週間データを取った時にどこで切るか、ビューアーの読み込み側も対応している必要があるが、今のところは1日単位で出力ができるようになっている。(岡庭氏)

    Q.

    最後の治験IT化部会の臨床研究の発表で、K-MIXを使ってこれから香川県で不整脈のある方を早めに見つけて心電図をネットワーク上で記録しておいてという取り組みを行おうというところなので、ぜひご協力をお願いしたい。(原座長)

    A.

    ぜひよろしくお願いいたします。(岡庭氏)

    Q.

    durantaの取り付け方を教えていただきたい。(上野氏)

    A.

    目的に応じて付け方が変わってくる。一つは胸骨上にペタッと貼る形。デンマークのブル ーセンサーという電極パッドを使っており、シールのように貼ってつけることができる。貼 り付けるポジションとしては、不整脈を見たいのか、どちらかというとリズムを見たいのか、 自律神経的な見方をしたいのか、目的によって若干貼付け方が異なってくる。最近はウェア といって、服の中に電極がついているものもある。今日durantaをお持ちしているので後で ご覧いただければ。(岡庭氏)

    Q.

    電極が単極だが、実際、今のホルタ―タイプと同じでなければならないのか、あるいはもう一つくらいあれば十分なのか、いくつくらいあれば現場のお医者さんはいいと考えているのか。(大家副座長)

    A.

    元々ホルタ―が2つの誘導があって、波形が2つあるということで、ノイズが入っても片方が正常であれば、これはノイズだと簡単に判断できる。そういった意味でいうと2つあれば、今のホルタ―の形がベストだと思うが、救急車の中だと12誘導ほしいという先生方も結構多くいらっしゃるので、12誘導伝送という話しもでてきている。やはり目的次第だと考えている。ただ、2つの誘導があるといいなと思う。(岡庭氏)


  • 3.「地域医療連携における心電図の共有とMFERへの取り組みについて」

    日本光電工業株式会社 ITソリューション事業本部 リーダ 鈴木 真哉氏より「地域医療連携における心電図の共有とMFERへの取り組みについて」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    K-MIX+でのSEAMAT、MFER出力をありがとうございます。以前から日本光電の方々にはMFERでやって下さいとお願いしていた。例えば、三豊総合病院では心電図はDICOMのビューアーを開くと見えるようになっている。ということは、拡大したり、濃淡を変えたりということができなくもないが、MFERではビューアーが入ればデジタルの信号を測ったり、QT延長をノイズで測ったりしないで済むということで、地域全体での臨床研究に非常に役立つ。治験IT化部会のANAFIEの発表の中で、香川ではMFERで全部心電図をチェックしましたということができるようになるのでそちらのご支援もお願いしたい。(原座長)

    A.

    香川県においては、まず処方のデータが公開されている、そこに波形の情報が加わるというだけでかなりのことができると考えている。これはすでに環境として出来上がっているというのがポイントで、ここはおそらく日本を探しても、現在、心電図の部分で最先端を行っており、非常に素晴らしいと考えている。(鈴木氏)

    Q.

    弊社ではDICOM規格、画像のフォーマットはある程度知っているが、12誘導もDICOM Waveformという規格が出てきている。海外での状況はどんな感じなのだろうか。(岡庭氏)

    A.

    DICOM Waveformについては、モダリティメーカー側がなかなか実装するのが難しいという現実があった。MFERのポイントとしては、まず波形と波形以外のものを分けて(臨床研究などで必要な)匿名化も簡単にしたこと。波形だけを集めることができるし、その波形情報についても、それぞれのメーカーのサンプリングデータをそのままバイナリにできるという風に実装しやすくした。ここがDICOM Waveform等の他の規格を見ながらMFERの規格を作った人たちの工夫したポイント。このような時代的背景があったと聞いている。(鈴木氏)

    Q.

    そのようなこともあって、富士通からK-MIXに詳しい方もお越しいただいているが、MFERビューアーをK-MIX+に実装するのは、そう大変ではないと思うのだが。(原座長)

    A.

    ぜひ一緒にやらせていただければ。(斎藤氏)

    Q.

    先ほど、紙のスピードというお話しがあったが、やはり「紙」が基準なのだろうか。心電図は紙の出力が一般的なので、直感的にはそのようにした方がわかりやすいと。(大家副座長)

    A.

    今までの紙の文化から電子化という流れなので、心電計機メーカーとしては、紙の記録と同じ記録が画面に出てくるかどうかが一番問われるところ。そういった部分は必ず紙でできることは電子化してもできる、更にプラスでこれができるということで、必ずベースの部分は「紙」となっている。(鈴木氏)

    Q.

    その点で、先ほどのイメージ ワンさんからの話によると、連続データが基準で始まってい るので、連続データをいかに分けていくか。扱いやすいサイズに分けないと逆に扱いにくいものになってしまう。例えば、切ったものをもう一回つなげて、その切ったところを我々に見せるという部分が必要になってくると思うのだが、そのあたり、ビューアーの機能になると思うが、どうなのだろうか。(大家副座長)

    A.

    先ほどお話しを伺っていて、(durantaの)イメージとしてはホルタ―に近いのかなと。こ れがMFERのホルタ―ビューアーで、一日単位で見ることができるのと、7日間のデータが圧 縮した状態でずーっと見れる状態となると、見る方も大変。そのあたりは使い勝手になって くると思う。また、夜中に多い症例なのか、昼に多い症例なのか。そういったところでも変 わってくると考えている。(鈴木氏)

     

  • 4.「V-CUBEミーティング5のご紹介」   

    株式会社ブイキューブ メディカルヘルスケア推進グループ 大穂 照久氏より、「V-CUBEミーティング5のご紹介」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    画像が美しく、音声もきれいだというお話しで、それは他社に比べてということだと思うが、回線が急に悪くなった場合、それを自動的に調整しようとすると画像圧縮の度合いが変わったり、変化のスピードを遅くしたりと色々変えることになると考える。H.264の国際規格を使っているということだが、その規格を使えば、他のメーカーも同じ品質を出すことができるようになるのかお聞かせいただきたい。(上野氏)

    A.

    あくまでもコーディングの技術の話になり、当然、画質・音質に関してはコーディング以外の部分も関係してくるので、完全に一緒になるとはお伝えできない。(大穂氏)

    Q.

    それでは、国際規格があって、その上にそれを実現するコーディングの技術にノウハウがあるということだろうか。(上野氏)

    A.

    そのあたりは開発が担当しているので詳細についてはお話しできない。(大穂氏)

    Q.

    現在、香川県はドクターコムを使った上での総合特区となっているが、一番始め、ブイキューブ社がまだまだ小さく設立したばかりの頃、産婦人科医会として、どういったテレビ会議システムが良いか調査し、ブイキューブ社が非常に熱心にされていたので、産婦人科医会が採用した。また、香川県医師会も使っている。その後、一気にシェアが拡大し、日本でナンバー1が続いており、よかったなと思っている。そういうこともあり、香川県に対してブイキューブ社はずっと協力的である。つい先ほど、我々が取り組んでいるJICAのプロジェクトでタイから胎児心拍数がスマートフォンに送られてきているのだが、こういったところで、スマートフォンと組み合わせて胎児心拍数が見えて、胎児が元気ですよというような取り組みまで今後出てくると思う。ただ、会議資料を張るだけではなく、動的なデータを直で見ることができるような統合型のシステムまでできると考えているのでよろしくお願いします。(原座長)

    A.

    がんばります。ありがとうございます。(大穂氏)


  • 5.「「陸」「海」「空」次世代「島国型」ハイブリッド無人物流システムがつくる、遠隔医療の未来」

    株式会社かもめや 代表取締役 CEO 小野 正人氏より、「「陸」「海」「空」次世代「島国型」 ハイブリッド無人物流システムがつくる、遠隔医療の未来」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    ドローンの制御に使っている信号というのは、一つはGPSの位置情報ということだが、位置情報のみで十分なのだろうか。画像情報その他を組み合わせているのだろうか。(大家副座長)

    A.

    自律制御という観点からお話しすると、今メインはGPSやIMU、電子コンパス等から得られる情報を組み合わせて飛ばすというのが基本だが、プラスで画像認識を使って、島影や水平線を見て位置を保つことやってみたり、長距離をカバーできる通信電波を用いたり、基地局から出る電界強度を基に、三点間測位を使うなどして、海の上で迷子にならないようにするということを研究している。また、国交省からの指導で、今後は目視外飛行に関しては、飛行中の映像の伝送が必要になってくる方向であり、そのような流れに合わせて適切な通信方法を模索している。(小野氏)

    Q.

    弊社でもドローンを販売しているのだが、総務省から昨今ドローンに関してのいたずら対策として飛ぶ高度や場所、目視範囲で飛ばすといった制限があると思う。そのあたりはこれからクリアされていくのだろうか。(岡庭氏)

    A.

    私たちがプロジェクトを展開している高松港周辺エリアでは高松港周辺はDID、人口密集地に指定されているので許可を得ない限りはそもそも離着陸に使用することはできない。海の上は基本的に今のところ制限はなく、離島も、一部条件を除き制限がない。現在は離着陸するポイントや飛行ルートを規制のかからないエリアにしている。また、海の上に関して言えば、海外から大阪や神戸に行くタンカー船が通る本線航路の上などは特別な法律があり、マストに当たらない65m以上の高さまで機体を上げてくださいなど、海域によって細々とした法律がある。法律違反にならないように、海上保安部や陸運局、総務省通信局、航空局、国交省から指導を受けながら進めている。ご質問の目視外飛行に関しては、ハードウェア面としては、機体に必要な装備や仕様を備えているかどうか。ソフトウェア面では、運行する事業者(オペレータ)の技量・経験などが総合的に判断されているのが現状。(小野氏)

    Q.

    離島でフェリーが一日に6便出ているというのは割に多い方だと思うのだが。(岡庭氏)

    A.

    かなり多いと思う。香川県は離島振興もあり大変恵まれていて船の本数も多い。香川県が特殊なのは各島ごとに船会社、運行会社があるということ。更に小豆島のような大きな島になると、各港ごとに運行会社があるような、大変贅沢な状態になっている。(小野氏)

    Q.

    圧倒的にフェリーの方が安定はしていると思うが、定期便をメインに使用した輸送法ということをお考えなのだろうか。(岡庭氏)

    A.

    定期船がある島に関しても、だいたい夕方6時か7時と、便が終わるのが非常に早い。全国的にみて、定期船はどんどん減ってきているのが現状。これを補完する意味での無人輸送船。定期船が通っている昼間は、もちろん定期船の方が輸送効率がいいはずなので、定期船の運航時間外の輸送がメインとなる計画をしている。(小野氏)

    Q.

    ドローンは風の強い日は飛べないと思うのだが、実際、将来の実用レベルになったら強風の中でも飛べるようなしっかりしたドローンができてくるのだろうか。(上野氏)

    A.

    私の今の考えでいくと、「風が強いと飛べない」という前提でやっている。これはなぜかというと航空機も一緒で、極端な例として瞬間最大風速25mを超えるような風が吹いている時に小さな機体のドローンを飛ばすということ自体が物理的に無理な話なので、島の場合は船を使用する。船に関して、今設計段階の本番機では悪天候の際でも問題なく運航できるよう、大型船などに搭載されている転覆しない救急艇のような形状を想定している。悪天候の例として、女木島で冬に吹く「オトシ」と呼ばれる自然現象では、港付近で瞬間最大35mくらい吹くことがあるのだが、その中でも進んでいける推力のあるエンジンは現状ではジェットエンジンである。強風で空を飛べない時の手段として、船で行くという計画を進めている。機体はその時の気象条件で使い分けていく。(小野氏)


  • 6.「泌尿器科領域の新規医療機器開発

    旭川医科大学病院臨床研究支援センター 副センター長・准教授 松本 成史氏より、「泌尿器科領域の新規医療機器開発」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    先ほどの波形を拝見していると、時間の要素が大きいと思ったのだが。(大家副座長)

    A.

    尿というのは従来型見慣れている波形パターンであり、先ほど心電図でも波形が大事だとお話しがあったが、その波形の横軸をのばせば、何となくだらだらした排尿に見えるし、横軸を縮めれば勢いがある排尿に見える等、波形というパターンをどう見るかというのが重要。ただ、医療情報・生体情報としてはパターンだけでなく、あくまでも定量化という数字を示さない限り「classT」としては認められないとPMDAから言われたので、ドップラー波形、周波数から得られた波形をそのまま定量するという別のソフトを開発していただき、実際にPMDAに提出した。(松本氏)

    Q.

    ちょっとした工夫をすることで、病院内で新しい機器として進化していくのだろうか。(大家副座長)

    A.

    今のICTなり、工学系の進化を皆さんと結んでタイアップすることで、より患者にとって非侵襲、または侵襲度の低い検査機器やデータ共有などは、お医者さん側、厚労行政側の発想の転換が必要であると考えている。まさしくイノベーションの世界になっていくのではないか。このフォーラムのタイトル通りの流れにつながっていけばいいかなと考えている。(松本氏)

    Q.

    尿量の重さで測って、それを微分したカーブというお話しがあったが、そうなると体重自身を測ってもできるのではないか。体重計にのって排尿をし、何g減ったかを測るということだが、そのあたりはどうなのだろうか。(原座長)

    A.

    素晴らしい考えだと思う。何が素晴らしいかと言うと、イグ・ノーベル賞で一昨年に選ばれた内容が、実はゾウでもネズミでも人でも正常成人の平均は21秒プラスマイナスα秒だという研究だった。つまり体重であろうが、体の大きさ、膀胱の大きさ関係なく、動物は20数秒で排尿できるようにつくられているということ。それは子宮でもそうだが、膀胱の袋の大きさにも関わるが、その袋を押し出す筋肉の強さと、出口である尿道の太さ、尿道の弛緩度が各動物ごとに違うのだが、結局排尿に関してはどの大きさの動物であろうと20数秒で出るようになっていて、これは敵から守るなどの要素の中で、全部の体でそうなっている。案外、先生がおっしゃる体重が重かろうが、軽かろうが・・・(松本氏)

    Q.

    体重の減り方を調べればいいと思うのだが。(原座長)

    A.

    尿の量は所詮数百gなので、体重計の感度には反映できない。(松本氏)

    Q.

    体重計の感度を上げる方が効率が良さそうだが。(原座長)

    A.

    それは先生方にお願いしたい。現在の洋式便座は水面が一定であり、排尿をすると当然水面が上がっていく。それでパターンを出しているような機械もある。(松本氏)


  • 7.「地域包括ケアに向けた弊社ソリューションと最新事例のご紹介

    富士通株式会社 公共・地域営業グループ ビジネスイノベーションセンター 第二ビジネス部 マネージャ 北口 順治氏より、「地域包括ケアに向けた弊社ソリューションと最新事例のご紹介」について発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    香川でも始めは他の病院にカルテを見られたくないと思われている方もいたが、医療情報部や県、医師会の方々ががんばって、16の中核病院、全体で140の医療機関で7種類の情報を参照できるまでになった。香川大学医学部附属病院ではSOAP、ドクターが何を考えて、どういう処置をしたかまで出ており、抵抗なく電子カルテに記録している。再来週にはASEAN各国30名が香川県を訪れ、K-MIX+を視察することになっている。ぜひ富士通でも今後ドクタ ー等関係者を連れてきていただければ、日本でも抵抗感なく病院間でカルテの参照をしてい るんだということが分かっていただけると思う。(原座長)

    A.

    ありがとうございます。(北口氏)

    Q.

    SS-MIXの連携をやれば、あらゆる介護のシステム、在宅からの血圧や不整脈かどうかのデータなどアップロードすれば全部見ることができるようになる。こちらに参加している企業の方たちにはSS-MIXの連携を一緒にやりましょうと常にお話ししている。できればぜひ7月のHCIFで、ここまでSS-MIXでやりましたという発表があればお願いしたい。(原座長)

     

  • 8.「ヘルス/ウェルネスケアのための計測技術」

    国立研究開発法人 産業技術総合研究所四国センター所長代理(兼)生命工学領域研究戦略部 イノベーションコーディネータ 大家 利彦氏より、「ヘルス/ウェルネスケアのための計測技術」について発表があった。

  • 9.「遠隔地 高齢者見守り 小型センサーで呼吸・心拍・体動計測」

    豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 教授・香川高等専門学校電子システム工学科 
    教授 三ア 幸典氏より、「遠隔地 高齢者見守り 小型センサーで呼吸・心拍・体動計測」についての発表があった。

    【質疑応答】
    Q.

    通信部分が大きい印象なのだが。(大家副座長)

    A.

    これは元々学生が作ったもので大きいが、志々島のプロジェクトではこの半分くらいの大きさで、24時間バッテリーがもつ充電電池を使って条件をクリアしている。また、Bluetoothの最新型にして測定できるようにユニットを作った。(三ア氏)

    Q.

    ベッドの下に敷いて体動を見るものとの差別化はどうなっているだろうか。(岡庭氏)

    A.

    ベッドの下に敷く圧電フィルムや他のセンサーがあるが、そういった圧力センサーのパターンとマイクロ波を使ったパターンなど色々とある。私の考えでは、高齢者や乳幼児の場合はベッドに置くといった問題よりも、もっときちんと正確にデータが取れる方が便利だろうと考えている。確かにベッドで取れれば理想的だが、では、ベッドから外れた場合どうなるのか。周波数解析をして強度を見たりというパターンがあるが、そういう周波数解析や色々な信号処理をしてまで見えないものを見えるようにして心拍や呼吸を測ることよりは、ちゃんと見えた方がいいだろうと。センサー屋としては、ちゃんとしたセンサーがいいに決まっている。例えば、センサーではない技術、アンプや通信の技術であったり、信号処理の技術は我々が全部持っているわけではないので、本当は色々なところと協力してやらせていただきたいというのが本音。(三ア氏)

    Q.

    呼吸と心拍、両方データが出てくるが、心拍数を数値として出すということはできるのだろうか。(原座長)

    A.

    それは信号処理をすれば出てくる。両方を分けるのは非常に簡単で周波数処理をかければ出てくるので問題ない。実は、一呼吸する間に心拍が早くなったり遅くなったりして呼吸で心拍が変わる、ゆらぎがあることを知らなかったが、それはきちんと計測できていて、心電図等と整合性を取ることもできている。精密測定の際に自分で作ったセンサーを自分が被験者となり、測れることを確認している。(三ア氏)

    Q.

    呼吸と心拍、両方出ているので、深呼吸をしたら心拍間隔がゆっくりになる。先ほど話したが、P波がないなど、異常を検出できれば臨床的にも役立つと思う。(原座長)

    A.

    まさに先生がおっしゃる通りで、ぜひそのあたりをお医者さんとコラボして、そこまで測ることができたらとても良いと考えている。波形のどこがP波に相当するかデータに出ているはずなので、私自身やってみたい。(三ア氏)

    Q.

    75歳以上で5%くらい、心房性不整脈があると言われている。この後、治験IT化部会でも発表があるが、その異常をなるべく多数から見つけて、それをイメージ ワンのdurantaや日本光電の12誘導の心電計の機器をつけて、P波がないという場合に、抗凝固剤を使うといったことにつながればいいと思う。(原座長)

    A.

    専門的にする場合はそのような機器を使うといいと思うが、日常的にはこういったセンサーにメリットがあると思うので、ぜひやらせていただければと思う。(三ア氏)

4.閉会

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