お知らせ&イベント
「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム」
第19回事例研究部会議事要旨
1.開催日時・場所
【日時】 平成26年7月16日(水) 13:00〜17:00
【場所】 産業技術総合研究所 臨海副都心センター 別館11F第1〜2会議室
2.開会
3.議事概要
(1)ご報告
堀口副座長より、人事異動に伴う変更により四国経済産業局栗田部長の副座長就任の報告。
これを受け、栗田副座長より挨拶。
(2)新規参加団体等の紹介
堀口副座長より、新規参加団体の紹介。これを受けて新規参加団体(株)EPファーマライン
代表者より挨拶。
(3)事例研究
生涯を通じた医療・健康上の共有・蓄積(EHR/PHRの構築)に向けた最新の活動状況
【成人期・高齢期】
- 1.「K-MIXからK-MIX+(Kagawa Medical Information eXchange plus)へ
−概要説と未来への展望 どこでもMY病院構想へ向けて−」香川大学瀬戸内圏研究センター 特任教授 東北大学東北メディカル・メガバンク 客員教授
原量宏氏より「K-MIXからK-MIX+(Kagawa Medical Information eXchange plus)へ−概要説明と未来への展望 どこでもMY病院構想へ向けて−」について発表があった。Q.医療機関が持っている情報を共有することは患者にとってメリットが大きい。共有に際して苦労した点などがあれば教えていただきたい。(堀口副座長)
A.医療機関は情報共有に後ろ向きな場合が多いが、香川県医師会の取組ということによって導入し理解を得られたことが大きい。また、処方情報のデータを出力する際、ホットコードに統一することを徹底したことで理解を得られた。5年後には300医療機関の参加を目標としている。(原座長)
Q.電子カルテの共有に関して、障壁となっているものを少なからず感じる時があるが。(鈴木氏)
A.意識の変化は徐々にあらわれる。それまでは移行期間も必要かと考える。(原座長)
- 2.「電子版お薬手帳の取り組みのご紹介」
㈱STNet営業本部ヘルスケアIT推進部 マネージャー 横田貴文氏より「電子版お薬手帳の取り組みのご紹介」について、発表があった。
【質疑応答】
Q.今後、処方箋の電子化の議論が進んだ場合、本システムも変化していくのか。(堀口副座長)
A.医療機関、薬局間での電子処方箋となっても、システムが大きく変わることはない。電子的に情報が送られるため、薬局側での利用価値はより高まっていくと考えている。(横田氏)
- 3.「医薬連携 さぬき市多和地区における診療所と薬局をつなぐ
−かがわ医療福祉総合特区の取組− 」徳島文理大学 香川薬学部 教授 飯原なおみ氏より、「医薬連携 さぬき市多和地区における診療所と薬局をつなぐ−かがわ医療福祉総合特区の取組−」について発表があった(TV会議)。
【質疑応答】
Q.医薬連携に関して、薬剤師会はどのように考えているのか。(堀口副座長)
A.IT化を推進していくことにアレルギーがある薬剤師がいる。ゆえに、教育現場での医薬連携の啓蒙を進め、意識改革を進めていく必要性を感じる。(飯原氏)
Q.最近、医学部、看護部、薬学部の学生が合同で同じ講義を受ける取組が増えており、そういう場を利用してITを浸透させていくのが効果的かと考える。(山村氏)
A.現場からもそのような考えが出てきており、そこから意識が深まっていくことを期待している。(飯原氏)
【周産期・乳幼児期】
- 4.「母子健康手帳電子化から始まるPHR」
亀田総合病院 総合周産期母子医療センター 部長 鈴木真氏より、「母子健康手帳電子化から始まるPHR」について発表があった。
【質疑応答】
Q.ヒトパピローマウイルスのワクチン接種時期は12歳時となっている。接種後、一連の流れとして、母となっていくことを考えると、「ままのーと」という考えから「わたしのーと」へと移行していく可能性も考えられる。その点について、何かお考えはあるのか。また、12歳児が産婦人科でワクチン接種を受けることに違和感を覚えるが、その点についてはいかが思われるか。(十川氏)
A.現在使用している産科電子カルテのどこかで「母」と「子」のカルテを切り離し、本人統合に変えていく必要性は感じている。ワクチンをどの機関で接種するかは、国の方針による。今後、健康情報、健診情報、学校内での情報など健康に関する情報はすべて統合反映させ、より多くの情報を得られるような対応をしていく。(鈴木氏)
Q.この取組みにおいて、費用面の負担が大きいと効果が得られないのではないかと考えるが、その点はどうか。(堀口副座長)
A.医療機関から、データセンターにデータ送信する部分で費用が発生する。コストを負担するのがどこになるのか、が今後、議論される点であるかと考える。(鈴木氏)
- 5.「スマホアプリ『妊婦手帳』を用いた妊婦健診−その問題点と今後の展開−」
NTT東日本関東病院 産婦人科 主任医長 杉田匡聡氏より、「スマホアプリ『妊婦手帳』を用いた妊婦健診−その問題点と今後の展開−」について発表があった。
Q.データの管理は母子手帳と同様に、病院で行うのか。(国分氏)
A.本システムと病院の電子カルテは連携していない。今後の課題として、妊婦健診で計測したデータ(体重、血圧等)を電子カルテとつなげていきたい。(杉田氏)
【在宅医療・介護】
- 6.「在宅医療と介護の為のアラームアドバイザー支援システムの研究開発」
福井大学医学部地域医療推進講座 講師(福井大学医学部附属病院神経内科)山村 修氏より、「在宅医療と介護の為のアラームアドバイザー支援システムの研究開発」について発表があった。
【質疑応答】
Q.アラーム情報として体重も考えられるが、どう思うか。(堀口副座長)
A.今回の研究で、計測情報として、体重も検討したが、立ち上がり、体重計に乗る行為自体が非常に危険であったため検討のみで終わった。理想とするのは、ベッドでの計測であるが、その際、衣服の重さをどのように情報に反映させるかが課題だと感じた。(山村氏)
- 7.「マイクロソフトの医療福祉健康業界におけるIoTへの取り組みと今後の展望」
日本マイクロソフト パブリックセクター統括本部 官公庁事業本部 公共イノベーション推進室 シニアインダストリーマネジャー 神田宗宏氏より、「マイクロソフトの医療福祉健康業界におけるIoTへの取り組みと今後の展望」について発表があった。
【質疑応答】
Q.医療のデータは専門的な知識が必要な分野かと思われる。最終的に誰が監修するスキームを考えているのか。(朝田氏)
A.今、取り組んでいる、匂い、健康管理の部門に関しては民間が行っていくのが主流になると思っている。扱うデータが医療のデータの場合、内容にもよるが、例えば在宅医療での計測データの場合、同じ機器で計測するにしても、クリニックや自宅など点在したデータをどのように取り扱うかが重要になる。その仕組みつくりを企業が主導となって行う場合、民間の中にもそれぞれの考えがあり、明確な答えはないように感じている。(神田氏)
【在宅医療・介護】
- 8.「歩きお遍路が心と体に与える影響」
独立行政法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門 研究部門長 吉田康一氏より、「歩きお遍路が心と体に与える影響」について発表があった。
【質疑応答】
Q.実際に88か所めぐりをしているお遍路さんの計測データと、お遍路をしていない人の計測データを比較するのはどうか。また、ポストテストに関しては、合計3ポイントの計測をしてはいかがか。(国分氏)
A.ポストテストに関しては、心理テストは3ポイント計測しており、その平均値を表している。88か所めぐりをしてくれる協力者はいるが、プレ、ポストもとなると難しい。そこで、プレ、ポストを行わず、徒歩のみでお参りをしない、バスで移動してお参りをする、フィットネスクラブで運動のみをおこなう、それぞれのケースと比較することも検討していく。(吉田氏)
4.閉会
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