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お知らせ&イベント

「ヘルスケア・イノベーション・フォーラム」
第8回治験IT化部会議事要旨
日時
平成23年11月25日(金)15:20〜16:30
場所
高松サンポート合同庁舎 アイホール
開会
原座長より開会にあたり、以下の内容で挨拶があった。
 今日のお話しは大変重要な内容となります。といいますのも、K−MIXが運用を開始してから7〜8年を経過しているわけですが、その運用(運営)資金は参画医療機関の使用料のみで賄われています。このシステムを新薬の開発や販売後調査に用いることができれば、副作用の早期発見が可能となって素晴らしい新薬の開発が可能となる等、国民全体の利益になるということはもちろんですが、同時にK−MIXの資金面における長期間に渡る安定的な運用、あるいは独自での研究開発費の獲得が可能となります。そういったことから、我々はここ数年間は、K−MIXを用いて如何にして治験のIT化に役立てられるかということを、色々と工夫して参りました。
 その結果、そうしたことが実現可能となった段階で、色々な製薬企業に使用していただけるようお願いに回ったのですが、なかなか良い反応が得られませんでした。しかし今回、第一三共さんから「使ってみよう」という決断をしていただきまして、我々はその決断だけでも有り難かったのですが、第1回目のプロジェクトで素晴らしい結果を得るとこができました。
 従来、治験のデータは匿名化して企業などへ渡していたのですが、K−MIXを使用しますと、実名で集めたものを香川大学治験管理センター及び医療情報部で匿名化して企業に渡すことが可能となることによって、得られた結果について遡って検証することができるということで、他で得られた同様な結果に対する精度が全く違うということになります。つまり、5年後に同じ患者さんの追跡調査ができることによって、その情報の価値は計り知れないものになると予想されていますので、そのような観点からも今日のお話しをお聞きいただければと思います。
議事概要

1.「造影剤の製造販売後調査におけるEDCシステムを利用した画像データの収集」
第一三共株式会社 事業推進本部 学術調査部 学術データマネジメントグループ 主査の谷川雅俊氏より、造影剤の製造販売後調査におけるEDCシステムを利用した画像データの収集について発表があった。
【質疑応答】
Q.ご発表の中で、「imagingEDC」が今回初めてのモデルケースである旨の表現がありましたが、これについては、海外でも実施している例がございますので、今後、他で同様の内容を発表される際には、この点をご留意いただく必要があろうかと思います。
また発表を見せていただいて感じたことなのですが、今回の事業で臨床研究全体を見たときに、これまでは製薬会社が行ってきた、データの精査業務が単純にK−MIXに委ねられただけ、すなわち「仕事が移動しただけ」のように見えるが、それ以外に何かメリットはあるのか。(大津氏)
A.ご指摘の通り「仕事が移動しただけ」と言われる面も否めないが、やはりK−MIXという確立されたシステムを介することによって、データを送付される医療機関側の安心感というものは非常に大きいものがあると考えております。
Q.そうなりますと、業務量に応じた対価を支払うシステムという前提でしょうか。(大津氏)
A.立場的に大変お答え辛い内容かと思いますので、私が代わりにお答えしますと、このimagingEDCを介することによって、これまで製薬会社が人手によって大学との間を往復していた手間(人件費)の削減、データ受け渡しミスであるとか漏洩問題の解消、あるいは実名でのやり取りが可能となることによる精度の向上、さらに将来的には、電子カルテシステムや電子処方箋システム等との連携をも想定しておりますことなどを勘案しますと、大学・製薬会社相互間はもとより、医療業界全体に非常に大きい利益がもたらされる仕組みになるものと考えております。(原座長)
2.「当院における治験IT化の取り組み−香川大学医学部附属病院治験管理センター報告−」
香川大学医学部附属病院 治験管理センター 薬剤主任の藤田章子氏より、香川大学における治 験IT化の取り組みについて発表があった。
【質疑応答】
質疑なし。

3.「治験システムと検査会社のネットワークでの連携に向けた検討−糖尿病パスシステムにおける検査情報連携機能の応用−」
香川大学医学部附属病院 医療情報部 特命助教 山肩大祐氏より、治験システムと検査会社のネ ットワークでの連携に向けた検討として、糖尿病パスシステムにおける検査情報連携機能応用 の可能性についての研究成果の発表があった。
【質疑応答】
Q.今回の検証は(株)四国中検さんにお願いしたが、8年ほど前にSRLやBMLなど5社ほどとテストをした際には、大手のほとんどの検査会社では、HL7でデータを出力できので、あとは患者IDを統一することさえできれば、自由自在にデータを送信することができる。検査情報は今回、電子処方箋においては調剤薬局まで届くし、お薬手帳では自らの情報を確認することができるということで、もう少し頑張ると、さらに良いシステムになるものと考えている。そうなるとこのシステムの運営資金をどこに負担していただくかということになるが、検査会社に毎月いくらかづつ負担して頂いて自由に使っていただく代わりに、今後は、紙での検査情報の送付が無くなりますよということになるであろうし、EHRやPHRで使用する場合には、利用する企業なりに負担いただくということを想定している。(原座長)
A.まだこのシステムが実稼働をしていないので、どのような形態が採算ベースに乗るモデルになるかということについては検討の段階である。こういう機会に色々と提案をしていくので、みなさんと一緒に検討していければと考えている。(山肩氏)

閉会

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